食育資格を仕事に一番生かせるのは、子どもの食事に関わる給食や弁当作り、料理教室などで働いている方です。大人向けに食育を指導することはほとんどありませんので、多くが教育に近い現場での仕事になります。食育資格を生かすときは、子どもにも分かりやすいように、子どもが楽しめるように考えましょう。
目次
子どもの食事は健康に直結する
食は命と健康の源。自ら体にとって安全かつ必要なものを選んで食べることは自らの命を守ることに直結します。また食育を正しく学ぶことで、体にはどのような栄養素や食べ物が必要かを自分なりに判断でき、その栄養素が体が欲している栄養素のため結果として生活習慣病の予防になります。
そのため子供のうちから食育について理解を持ってもらうことは非常に重要です。 現在の子供の食育の問題として、発育や発達に一番大事な時期にもかかわらず、欠食や栄養の偏りによって、過度な肥満や痩せの増加など健康面に関する重大な問題があります。
またその他にも発達障害などに影響を及ぼす可能性もあります。 これらの問題は家族で食事をする機会が減少しているため、食育に関する知識を教育できていないことも問題の1つと言えるのではないでしょうか。
食育で指導すべきこと
食育で特に子供に指導したいことは以下の項目になります。
- 朝ごはんをしっかり食べる
- 健康を意識して栄養バランスに気を付けること
- 食を通じて人とのかかわりあいを培うこと
- 親子で料理を楽しむこと
以上が挙げられます。 朝ごはんをしっかり食べる 学力や体力調査からも朝ごはんを食べている子供の好成績が確認されています。 朝ごはんは1日のエネルギー源で、睡眠中に低下した体の体温を上げて活動の準備を行います。そのため朝ごはんは1日の活動の源なのです。
健康を意識して栄養バランスに気を付けること 食事の栄養バランスに気を付けることは、子供の生活習慣病の予防や健やかな発育を促します。栄養バランスの偏ってしまっては、病気になったり発達障害になったりする恐れがあるからです。栄養バランスを上手く整える方法として、旬の食材を家庭の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
食材の旬について詳しく知らない方はカレンダーでまとめていますので、以下をご参考ください。
食を通じて人とのかかわりあいを培うこと 食を通じて人とコミュニケーションを取ることは非常に重要です。その理由はよりおいしく食事をいただくことができるからです。そうすることで、楽しめるだけでなく他の人の食へのこだわりを知れることで食への関心が自然と高まります。
最近では核家族が増えていて子供一人で食事をする機会が増えているからこそ、意識的にそのような機会を設けるべきと言えるのではないでしょうか。 親子で料理を楽しむこと 子供でも簡単にできるお菓子や料理を親子で楽しみながら作ることも食育する上で重要です。子供自身で料理を作ることで、食への関心が高まるきっかけになり結果として食育につながります。
食材の大切さと尊さ
現代では食べ物が世にあふれているから「食材の命の尊さ」が忘れられていると言えます。 そのため食べられる食材がたくさん捨てられている状況にあります。いわゆる「食品ロス」が日本では年間約632万トンにも及びます。その原因の半数は家庭での食材の廃棄がほとんどという調査結果が挙げられています。
未だに貧しくて食べ物に苦労してる国が多い中で日本でどれだけ「食品のロス」があるかを認識する必要があります。
そのことを知ることで心から「いただきます」と言えるように、今一度食の大切や尊さを見直すべきと言えるのではないでしょうか。
食べることの大切さと日々の暮らし
食を大事にすることは自分を大事にすることです。つまりどういうことかと言うと、今自分が抱えている悩みは食から派生したものだと言えるということです。例えば甘いものがやめられない、手作りがいいことが分かっていても、コンビニやスーパーの惣菜やカップラーメンなどを食べてしまうなどです。
当然体が必要としてる栄養ではないため以下のような不調が起きます。 ・生活習慣病 ・美容面のトラブル ・心の不調により人間関係に悪影響 ・学業の不効率 以上が挙げられています。 つまり食べることを大事にすることは日々の暮らしに大きく影響しています。
子供のうちからこのような食生活をしていると、体に悪いことは言うまでもありません。 そのため子供のためにも食に対して向き合い、食生活を改善していきましょう。
食事と子どもの成長の関係
食事は身体の成長や心の成長に大きく影響しています。健やかな子供の成長を望むのであれば、正しい食育は必要と言えます。 食育がどの具体的にどのような成長に影響しているかを以下にまとめました。
- 心と身体
- 身長
- 体力や運動神経
- 学習能力
- メンタル
- 生殖機能の発達
- 人とのかかわり
- 人との関係性を深くする
- 食について
- 食べ方
- 箸の使い方などの食べ方のマナー
- 食への関心
- 好き嫌いをなくす
- 食を通したコミュニケーション
など多岐に渡ります。正しい食育が子供の成長にとってかかせないものだとご理解いただけたと思います。
食育指導で工夫すると良いこと
実際に食育指導をする際に工夫すると、子供にうまく食に興味、関心を持ってもらえます。 その方法を以下にまとめました。
かわいいイラストをたくさん使う
低学年のお子様にはかわいいイラストを用いて食育することがおすすめです。 イラストなら字が読めない小さなお子さんからでも、興味を引くことができますし、記憶に定着させやすいので効果的と言えるのではないでしょうか。 また最近では食育を学ぶための絵本があります。
食べる楽しみやマナーについて学べる絵本、食材の好き嫌いをなくすためにクイズ形式になっている絵本、食材を作った人のことを教えてその人たちに感謝する絵本など様々なテーマがあります。 食べ物を大切にする気持ちをかわいいイラストで子供に楽しみながら教えることができますのでぜひお試しください。
おいしそうな料理の写真をたくさん使う
近年では料理ブロガーやSNSに投稿する人が増えてきて、おしゃれなお弁当やお料理を目にする機会が増えてきました。その写真を効果的に食育に生かしてみましょう。
もちろんおしゃれなお弁当や料理を見せることもいいですが、料理をしているとき、食べている時など楽しそうな表情が伺える写真を見せることで、自然と食に興味を持ってもらうことができるでしょう。
分かりやすい図解イラストを活用する
食について子供が興味を示して来たら、次は食について体系的に教えることがおすすめです。体系的に教える方法として、図解を利用しましょう。図解を利用することで食について相関的に知れるため、子供も分かりやすいというメリットがあります。ネットで検索しても図解はありますが、本を購入したほうがより、かわいいイラストなのでよりおすすめです。
食育資格は現場ですぐ役立つ
食育資格もさまざまありますが、食育資格について勉強することは現場で即戦力として 役立ちます。資格を取得する上で、たくさん種類があるためどの資格がいいか判断に悩む人も多いと思います。その場合は次にどの仕事に生かしたいかを考えて選ぶようしましょう。
例えば食育スペシャリストは飲食業界で働く場合におすすめで、子供にかかわる仕事ですと幼児食アドバイザーがおすすめです。
学習中から応用できる食育資格
食育資格について学んだその日から仕事だけでなく、自分のご家庭で実践できるので、資格を取得することは仕事の面でも家庭の面でもメリットがあります。勉強で得た知識を元に 自分のご家庭で、実践することで実際に家族から健康状態についてフィードバックが聞けるので、自分の成長のスピードにも繋がります。
子どもの衛生的な食事にも
食育は子供の衛生的な食事を守るための役立ちます。 例えばノロウイルスなどの食中毒を避けるために、
- 生ものの保管や調理の仕方
- 食材の消費期限
- 調理する前の手洗いうがい
など、以上は衛生的な食事を心がけるために、守る必要があります。
生ものの保管や、調理の仕方 例えばお肉やお魚などの生ものを保存する際に、食材に対して適切な保存温度や季節によって痛みやすい食材などしっかり頭に入れておく必要があります。また見た目やにおいから少しでも食材が傷んでいたら、火を通すなど調理の仕方を変えるなど注意しましょう。
食材の消費期限についても火を通さずにそのまま食べるのであれば、しっかりと期限を守り、期限を過ぎてしまった場合は加熱して食べるなど子供に食事を作る際には特に注意しましょう。 調理する前の手洗いうがいなど 調理する前にご自身が手洗いやうがいをしたか確認するようにしましょう。
また最近は爪に残る可能性がありますので、普段から爪を短く切る癖をつけておきましょう。
子どもの好き嫌いを減らせるかも
子供の好き嫌いの原因は本能による反射です。具体的にいうと特に子供が苦手とする味は「酸味」と「苦味」です。「酸味」は食品が腐ったような味のため、そして、「苦味」は毒の味として本能的に避けるために口にすることが苦手な子供が多いのです。
しかし、この反射も時が経つにつれて次第に弱くなってくることが分かっていますので、克服するために周囲の人がおいしそうに食べている姿を見せること、そして、一気にたくさん与えるのではなく、あくまで少しずつ食べさせることが好き嫌いを克服する上で重要になります。
理想は管理栄養士や調理師資格もあること
食育資格で特に取りたいという資格がなければ、管理栄養士、調理師資格などの国家資格を取るとの業界に対しても幅広く生かすことができます。以下に業種をまとめました。
病院や高齢者施設
入院患者や高齢者に噛まなくても食べやすい食事や健康回復に役立つバランスの良い食事などを季節に合わせて提供するお仕事。
学校
成長過程にある子供へのバランスの良い食事を提供。
スポーツ関連施設
アスリートの成績向上を栄養面からサポート。
企業
食品メーカーや加工食品会社などで新メニューの開発や生産方法の確立など。
どの業種でも食に関する活躍の場所があり、非常に魅力的な資格だと分かります。管理栄養士や調理師資格は国家資格であるため合格への難易度は高くなりますが、どの業界にも生かせるということはそれだけの価値がある資格と言えるのではないでしょうか。特に食育には興味があるけどどの資格を取っていいのか分からないという方にはおすすめです。
食育資格で最初の一歩を歩むべし
食育資格を取得することはさまざまなメリットがあります。多岐にわたる業種に関わって仕事をできること、ご家庭の食生活の改善により子供の発育、そして、好き嫌いの克服、など食に関して様々なことに影響します。
食育は子供の教育や医療などに近い現場なので、楽しくかつ分かりやすく指導できるとより子供や大人にもに食に関して興味をもってもらえ、知るきっかけとなってもらえると言えるのではないでしょうか。