カラーセラピーをカフェ、レストランに適用すれば、回転率や滞在時間をある程度調整できます。ソファーなど快適な設備を入れつつも、長時間眺めるには適さない色を合わせれば満足度は上がって、回転率もあげられます。色の工夫、設備の工夫でお店の売上はさらにあげられます。
目次
カラーセラピーをカフェに生かそう
カラーセラピーとは、色彩の持つ不思議な力を使ってクライアントの悩みを共有したりストレスを緩和したり、潜在能力を高めるアプローチをすることです。現代社会では多くの方がストレスを抱えていて、多くの方が癒しを必要としています。
色彩には人の心や体に自然と影響を及ぼして、人の内面を投射する作用があると考えられていて、昔から色を使ったケアは行なわれていました。しかし、カラーセラピーの原理は、人の深層心理を引き出すためだけでなく、一定の印象や行動意欲を与えるために使われることもあります。
そのような使い方を駆使する事で、デザイン関連の仕事の現場や飲食業での業過効率化を図ることも可能です。この記事ではカラーセラピーを使った、カフェやレストランにおける業務の改善策を具体的に見てみましょう。
カフェで生かすカラーセラピー
テーブル上でのカラー配色
カフェを運営する場合、オーナーや従業員は一定のコンセプトを持ってお店の環境を設定します。例えば穏やかな気持ちでリラックスできる雰囲気を演出したい場合は、木のぬくもりを感じられるような造りにすることでしょう。隠れ家的な雰囲気を醸し出したい場合は薄暗い照明を使うかもしれません。
このように一定のコンセプトで店づくりをしていきますが、その上で色彩に関する知識は役に立ちます。テーブル上でどんなカラー配色をすると効果的かを見てみましょう。もし健康的な食事を提供する事をコンセプトにしたい場合は、オレンジなどの暖色系を使うと効果的です。
一方スタイリッシュでクールな印象にしたい場合は、黒を基調にしたテーブルなどを用意しても良いでしょう。
座席回りに適したカラー選択
座席周りのカラー配色としては茶色系などがおすすめです。茶色は木をイメージする色のためか、心身を穏やかにしたり安心感を感じさせてくれる色です。座席に座って腰を落ちつける時はリラックス感を味わいたいという心理が働きます。そのため茶色系の色を取り入れるとお客さんにゆったりした気持ちになってもらいやすいと言えます。
もし木のテーブルを使う場合は、座席も木造りのものに統一するとよい効果的な雰囲気が醸し出されるかもしれません。
お店の出口のカラー配分・印象
食事が終わって店を出る客には再び店に戻ってきてもらいたいと思いますが、そのために出口の色を工夫するのは良い事です。テーブルや座席の色と同じような色調を出口のディスプレイや玄関などに使う事で統一性を出して、食事していた時の満足感をそのまま覚えて出てもらうと良いかもしれません。
レストランで生かすカラーセラピー
メニューの色で決定速度を高める
回転率をあげるためには、お客さんに出来るだけ早く注文を決めてもらって料理を提供したいところですが、そのためにメニュー表の色の配色を考えてみましょう。例えばお客は普通、「注文を決定するまでの時間が経ちすぎるとお店に悪いな」という心理が働くものです。
そこで時間が経つのを遅く感じさせる効果がある赤やオレンジを使ってみても良いでしょう。そうすることで実際は5分しかたっていないのに、もっとかかっているかのような感覚にさせられるかもしれません。これによってお客さんが「そろそろ決めないと」という気持ちになると期待できます。
また後述するように赤には食欲増進効果があります。そのためより提供したいメニューに赤を使うことで、その品を食べたいという気持ちをアップでき、決定速度を速められるかもしれません。
待ち時間に退屈しにくい色
人気のお店の悩みの一つに、お客さんの待ち時間が挙げられるでしょう。行列ができるお店というのはうれしい限りですが、お客さんの待ち時間が多いと、いらいらして雰囲気が多少なりとも悪くなってしまうかもしれません。そのため待ち時間に退屈しないための工夫を凝らしましょう。
この場合にはピンクやベージュ、緑などが効果的かもしれません。ピンクは幸福感と結び付きやすいものです。特に女性にとってはピンクは優しい色であり、穏やかな気持ちになる色です。入口の待ちスペースにピンク系の写真や絵やポスターを飾ったり、ピンク基調の時計を掲げたりできるでしょう。
ただしピンクは甘ったるい感じや子どもっぽさを演出するきらいもあります。そのため使いすぎやに注意しましょう。またスタイリッシュなカフェの場合には別の色をチョイスするほうが賢明です。
緑はカラートーンの中で中間色であり、静穏のイメージを与えます。そのため待ちスペースに観葉植物などの緑を配置すると、お客さんに気長に構えてもらいやすいと言えます。
お皿の色合いで食欲アップ
多く注文してもらうためにはお客さんの食欲をアップする色を使いましょう。この点有効なのは先述の赤です。赤には食欲増進効果があります。実際飲食店の看板では、吉野家やケンタッキーのように赤を基調色にしているものが多いです。そのため使うお皿に赤を使ってみるのも良いでしょう。
赤は体感温度をあげる色でもあるため、特に辛い系の料理を提供する場合に適しているかもしれません。ただし赤は主張が強い色のため、使い過ぎはNGです。例えば緑のサラダを提供する場合に真っ赤なお皿は合いません。そのため料理に合わせて配色しましょう。白いお皿も効果的です。
料理と同じような色合いのお皿にするのも良いです。同系色のお皿と料理の組み合わせは統一感を生んで温かみを増したり上品な雰囲気にしてくれます。
バーで生かすカラーセラピー
気分を穏やかにする色
大人の雰囲気が出やすいバーを経営している場合にも色の配色は大切です。バーはダークでシックな雰囲気があるイメージがありますが、バーと言ってもコンセプトは様々でしょう。そのためテーマに沿った色を使って色彩環境を整えましょう。もし落ち着いた雰囲気を醸し出したいのであれば、黒を使ってみると良いでしょう。
黒には孤独感や絶望感を感じさせるというネガティブな一面もありますが、適度に配色された場合はむしろ落ち着きをもたらす色になります。実際黒い家電やスマホやピアノなどは人気がありますが、黒を使うことで重厚感が出たり高級感が醸し出されることがあります。
この作用によって外界と遮断された雰囲気が生まれ、一人でゆっくり過ごしたい方にも好んで頂けるスペースが作れます。また暗めのイメージがあるグレーを使うこともできます。
もしバーがもっと家庭的なコンセプトになっている場合は、緑も穏やかな気持ちにさせてくれる色になります。椅子や柱などにアクセントとして使っても良いかもしれません。
楽しく話せる雰囲気になる色
バーで楽しく盛り上がりたいという場合は、オレンジ色もおすすめです。オレンジにはユーモア感や陽気な雰囲気を出す力が指摘されています。また赤と同様食欲を促す色にもなります。さらにはカジュアル感も演出してくれます。こういった要素を持つオレンジを使うことで、その場の雰囲気が明るくなり、飲食も進みやすくなるでしょう。オレンジは照明に使ったり、アクセントとしてインテリアに取り入れても良いでしょう。
晴天下でひまわり畑にいる様子をイメージしてみると分かりますが、黄色は幸福感を感じさせるため、オレンジ同様楽しく話せる雰囲気作りには良い色と言えます。
テーブルの上が見やすくなる色
バーにはテーブルがありますが、テーブルの上をすっきりさせる色としては、やはり上に来るものを目立たせる白が良いでしょう。置く物にもよりますが、大抵の場合は背景が白だと配置するが認知されやすくなります。ただし白の難点としては汚れも目立ちやすいという点です。
そのため汚れにくい素材のものを使ったり、天板を白にしてそのうえにガラストップの板を使うという手もあります。なおガラス単体のテーブルに関しては、空間心理の要素も関係します。透明色のガラス素材にすることで床が見えるようになり、その結果室内空間を広く感じさせることができます。
色の知識でビジネスを成功に導く
ビジネスと色は一見何の関係もないように思える要素かもしれません。しかし、実際は密接なつながりがあります。カフェやレストランにどのような配色をするかによって、食欲を増進させたり気持ちを落ち着かせたり、待ち時間を辛抱してもらいやすくなったりするものです。
またお客さんの気持ちを高めて楽しい気分になってもらうこともできます。飲食業においてこれらの要素は非常に大切なポイントです。回転率をあげると同時に、お客さんに「来て良かった。また来たい」という気持ちになってもらう事も重要です。
実際有名飲食店はこうした要素を意識した看板が採用されています。冷たい食べ物の場合は寒色系の看板を出したり、食欲を感じてほしい場合は暖色系にしたりと様々な工夫をする時、店作りはより効率的なものになるでしょう。
基本は諒設計アーキテクトラーニングのカラーセラピー資格で学ぼう
色彩に関する知識をしっかり学びたい方は、基本のノウハウを通信講座で学ぶ事が可能です。おすすめできるのは諒設計アーキテクトラーニングの「カラーセラピー3資格取得講座」という講座です。これは色彩関連の資格3つに完全対応した講座で、受講する事によって3つ同時に取得できるチャンスがあります。取得できる資格とその概要は以下の通りです。
日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)主催「カラーセラピー」
- 受験資格 特になし
- 受験料 税込10,000円
- 試験日 隔月(公式HPの試験日カレンダー参照)
公式サイト:https://www.domap.net/test/color/
日本インストラクター技術協会(JIA)主催「色彩インストラクター」
- 受験資格 特になし
- 受験料 税込10,000円
- 試験日 隔月(公式HPの試験日カレンダー参照)
公式サイト:https://www.jpinstructor.org/shikaku/shikisai/
日本デザインプランナー協会主催「カラーアドバイザー」
- 受験資格 特になし
- 受験料 税込10,000円
- 試験日 隔月(公式HPの試験日カレンダー参照)
公式サイト:https://www.designshikaku.net/test/color/
これらの資格を取得した方は、カラーセラピストとしてメンタルケアの分野で活躍したり、自宅やカルチャースクールで講師活動ができる立場に立つ事になります。講師活動を副業として副収入を稼ぐ事も視野に入れられるでしょう。例えば全10回、1時間1,000円で講義を開講した場合の副収入は以下のようになります。
- 生徒5人の場合 50,000円
- 生徒10人の場合 100,000円
- 生徒15人の場合 150,000円
カラーセラピーは認知度がまだそれほど高くはありませんが、癒しの必要が叫ばれている昨今にあって、色彩の持つ力への関心が今後高まる可能性は十分にあります。まずはカラーセラピー講座を受講して資格を取得して、エステサロンやヒーリングサロンなどで実務をこなしておくと良いでしょう。
なお諒設計アーキテクトラーニングの講座には、卒業後に試験を受けて資格を取得する通常講座の他に、試験免除で有資格者になれるスペシャル講座があります。スペシャル講座は料金が20,000円高くなりますが、卒業課題の提出によって試験を免除してもらえるため取得がスムーズです。詳しいカリキュラムは講座の詳細については諒設計アーキテクトラーニングの公式サイトから確認できます。