世にある通信講座などで取得できる心理カウンセラー資格をまとめました。それぞれの魅力や特徴、学べる内容と現場でどの程度生かせるのかについても参考にしてください。民間資格でできることは少ないですが、心理カウンセラーとしての職につくための第一歩にできることは間違いありません。
目次
心理カウンセラーを目指す方へ
心理カウンセラーは非常に尊い仕事です。心に不調を抱える人が多い現代社会では、メンタル的なサポートの必要性が高まっています。心理カウンセラーと呼ばれる仕事の中にもたくさんのジャンルがありますが、基本的には人の心を癒し元気づけるためにカウンセリングや聞き取りを行っていきます。
心療内科や精神科で専門の医師として働くためには国家資格が必要ですが、その足がかりとなるのがこれらの民間資格です。心理カウンセラーになったとしても学ぶことが多い分野であるため、日々学習を続けながらどのように人を元気づけエンパワメントしていくかを研究していきましょう。
心から寄り添うようなサポートができれば、利用者が自分自身の力を信じ、成長させていくきっかけとなるでしょう。日本ではカウンセリングが市民権を獲得するまでには至っていないように見えますが、海外では非常に一般化しており、これからの需要拡大や知名度の向上が期待されています。
心理学でできること
人の心を正常に戻す
健常者でも心の悩みやストレスを抱えることがあるため、そういった一時的な不調をサポートし、本来の状態に戻していきます。人の心には生まれ持った強さがあるため、多少のストレスがあっても抵抗したり受け流したりできるようになっています。
しかし、過度のストレスや長期的なストレスによりバランスが狂ってしまうことがあるため、たとえ精神的な問題や病気を抱えていなくても、時折人のサポートを必要とすることがあります。そのため、聞き取りによって本人が問題を整理できるように助けたり、バランスを取り戻すための現実的なアドバイスを与えたりすることが、心理学の基本的な目的です。
どうしてそのような考えを持つに至ったか、特定の感情を発生させる考え方は何かをしること、さらに一般的な精神構造のパターンや人格的な仕組みについて理解することも心理学に含まれています。精神や感情の仕組みを知ることで、なぜ特定のストレスを抱えているのか、どうすれば解決に至るまでの道筋を見つけられるのかを分析していきます。
人の苦しみを減らす
過度のストレスを抱えている人は、自分で処理したりコントロールしたりすることができないため、客観的な意見を持ったサポートやアドバイスを必要としています。カウンセリングに依存するのではなく、カウンセリングを活用して自分でストレスをコントロールし対処していく力を身に付けていきます。
心理学は、一時的に増大したストレスや長期にわたって抱えているストレスによって、苦しみに対処することを難しく感じている方のためのサポートを行います。問題解決のためのアドバイスや客観的な意見は、心が耐えられるレベルにまで苦しみを低減したり、本人が立ち向かっていけるよう強さを取り戻させたりする効果を持っています。
人の苦しみをなくす事は現実的ではありませんが、心理学を正しく活用できれば苦しみをかなりの程度減らすことが可能です。
人の心を壊す
残念ながら、そうした仕組みを悪用することで人をコントロールしたり、恐怖心や強迫観念を植え付けることも可能です。過去には、悪い目的を持って心理学を学んだ人が友人や特定のコミュニティーを破壊するために悪用したり、政府や政治組織が人々を操るために心理学を利用したりした例が非常に多く見られます。
心理学ではそのような過去の事例や事件も学びながら、どのような害があるか、なぜ特定の方法や心理的な技術が倫理的に禁止されているかを分析していきます。人の精神の仕組みや力の与え方を知ることは、悪いと思ってすれば人の心を壊すことも可能にします。
心理カウンセラー資格一覧まとめ
メンタル士心理カウンセラー(JAAMP)
日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が提供しているメンタル士心理カウンセラー資格は、心理学の基礎的な知識を学ぶことに始まり、様々なストレスが引き起こす身体的症状や、精神的・感情的反応、症状別の対応策や治療法について学んでいく資格です。
それらを見分ける知識や、そもそものストレスの原因となっているものを調べていくカウンセリング技術、そういったストレスを乗り越えるために必要な考え方や知識を本人に身につけさせる技術についても学びます。カウンセリングを行う際の注意点や、外部的治療法についても学んでいくとされています。
メンタル心理インストラクター(JIA)
メンタル心理インストラクター資格は、日本インストラクター技術協会(JIA)が提供している資格で、カウンセリングや心理学に関する基礎的な知識から、地域精神医療やチーム医療に関する実際的なアイディアまで学んでいく資格です。
相手を評価するのではなく、聞き取りを通して相手とその世界観を理解し、サポートを行っていく技術や、最初のカウンセリングにおいて治療目的を特定したり、治療方針を定めていく方法、利用者とカウンセラーの間で生じるゆがんだ関係やそれを修正する方法、無意識のうちに起こる不健全な防衛反応を見つける方法なども含まれており、十分に理解することが目的です。資格取得後は、講師活動や実際のカウンセリングのための足掛かりとして利用することができるでしょう。
メンタル心理カウンセラー(JADP)
メンタル心理カウンセラーは一般財団法人・日本能力開発推進協会が提供する資格で、学校や企業など公の場でメンタル面でのサポートを行うことを想定した資格です。カウンセリングにおける技術や基礎知識を学ぶ点では他と似ていますが、多岐にわたるカウンセリングの内容に特化しているという特徴があります。
上級心理カウンセラー(JADP)
同じく一般財団法人・日本能力開発推進協会が提供するこの資格は、メンタル心理カウンセラーよりも上位に位置するカウンセラー資格となっています。カウンセリングそのものの手法やより高度な心理学の知識を持って理解を深めていくための資格で、カウンセリングのレベルをより高めたいと思っておられる方におすすめの資格です。
心に問題を抱える人だけでなくコミュニティも対象にしており、個人的にサポートするのみならず社会的な観点からも、回復に必要なエネルギーを取り戻す方法を教えたり、カウンセリング業務に従事する立場に必要な知識及び技能を身につけていることを証明する資格です。クライアントごとに、より適切なカウンセリングをより高度なレベルで提供することを目標とします。
メンタルヘルス・マネジメント検定
大阪商工会議所、施行商工会議所が主催し、日本商工会議所が支援する同試験は、一人ひとりが自らの使命や役割を見つけ出し、ストレスの原因となる問題に立ち向かっていくための力を得るサポートを行う、メンタルヘルスマネジメントを促進するための資格です。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験では公開試験と団体特別試験を設けており、組織全体による職場や従業員のケアを促進するためのノウハウを提供しています。個人から企業組織に至るまで、治療家現場復帰を含む三次予防から健康促進を促す一次予防まで、職場で行えるメンタル面でのケアを徹底的に学ぶ資格です。
NLPプラクティショナー(米国NLP協会)
Neuro-Linguistic Programming(神経言語)の頭文字をとってネーミングされている資格であり、アメリカでは学問の一つとして扱われています。神経言語とは、ことばと思考の作用を体系的に分析した内容全体を指しており、高額の受講料が必要となる講座でありながら、特にアメリカの地で臨床研究によって実証された非常に実践的なカウンセリング技術を学びます。
コミュニケーション能力を飛躍的に伸ばすことも目的の一つであり、職場でもプライベートでも役立つコミュニケーション技術や信頼関係の構築方法などを学んでいきます。カウンセリングに必要な利用者との適切な関係作りや回復までサポートを行っていくカウンセリング技術を身につけることがカリキュラムに含まれています。
NLPマスタープラクティショナー(米国NLP協会)
より上級レベルとなる同資格は、数少ない質問で相手を理解する分析能力や勉強会に参加することでより学びを深めていく特別な内容、期間限定の特別トレーニングなどを解体することでよりカウンセリング技術を身につけていくための実践的な内容を提供しています。
メンタルケアカウンセラー(メンタルケア学術学会他2団体協賛)
ヘルスケア産業を支える人材を育成するため、ヘルスケア産業に関する基礎知識や評価する判断基準を身につけつつ、カウンセリングの基礎知識や心理学を学び、カウンセリングにおいて求められるコミュニケーション能力や手法を身につける資格です。
国家資格を取得してから仕事にしよう
カウンセリングの仕事は命と隣り合わせ
カウンセリングの如何によって、人はエネルギーを取り戻して社会復帰したり、あるいは逆に傷を深めてしまって自ら命を出すことを選んでしまったりするなど、一般に想像されるよりも命と隣り合わせの仕事内容となっています。国家資格を取得して本当にカウンセリングできる資格を身につけるまでは、中途半端な技術や動機づけで行うべきでない仕事です。
民間資格は国家資格への通り道
最初から国家資格を目指すと挫折してしまう方もおられるかもしれません。それだけ非常に深く難しい学問であるため、非常に難易度が高いからです。人の数だけ物の考え方があり、カウンセリングにおいては人の数だけ対応しなければならないということになります。
最初から国家資格を目指す道のりが開けているのであればそれが理想的ですが、心理学やカウンセリングに興味をお持ちであるものの、いきなり大学などで勉強するのは自分には難しいと感じておられる方には、まずは通信講座などで取得できる民間資格から目指す方が、身近な道のりになるかもしれません。
民間資格を取ったくらいで人の心を弄ばないで
新しいことや非常に興味深いことを学ぶと、自分なりにその可能性を試してしまいたくなるものですが、前述のようにカウンセリングには良くも悪くも非常に大きな力を発揮する可能性が秘められているため、心理学を悪用したり中途半端な心持ちや理解で非現実的なサポートを行うことは非常に危険です。
心理学を良いことに活用して
心理学は基本的に良い目的のために利用しましょう。人を築き上げ、エネルギーを身につけさせ、社会で健全な人間として生きていくためのサポートに活用されるなら、心理学はかけがえのない価値を持つことになります。
最初の一歩におすすめなのは通信講座
まずは通信講座でどのような資格なのかを覗いてみることをおすすめします。多くの通信講座では無料で資料請求を行えるため、それなりの金額を支払って受講するよりも前に内容を調べてみましょう。
もしご自分が考えておられる心理学に必要としている内容であれば、まずは通信講座からカウンセリングの世界に足を踏み入れてみるのが最も簡単でしょう。通信講座によって基礎的な知識を身につければ、その後より深い心理学やカウンセリングに関する学部を学んでいく足がかりとなるかもしれません。